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Archive for September, 2010

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海外留学のデメリット10選

【1】高額な学費を支払わなければならない
【2】日本の大学に比べると卒業が困難
【3】人間関係構築が苦手だと孤独な生活へ
【4】卒業後、日本への就職が困難なケースが多い
【5】卒業後、現地への就職が困難なケースが多い
【6】日本語の言語感覚が鈍る
【7】住居トラブルが非常に多い
【8】交通の不便利
【9】逆カルチャーーショックによる日本生活への不適応化
【10】食生活の違いから来る体調・栄養管理の必要性

英語圏の留学経験から獲得できる10の恩恵で紹介した、

【1】日本特有のバイアスから解放される
【2】弱い立場への理解が生まれる
【3】移民になるという選択肢を獲得できる
【4】海外大学院への道が比較的容易になる
【5】実用的な英語スキルが習得できる
【6】国際的な交友関係が築ける
【7】海外就職への可能性を獲得できる
【8】ハードスキルを英語で学べる
【9】自らを大幅に変える事が出来る
【10】国際恋愛が身近になる

が留学のメリットだとすれば、これからご紹介するのは留学の主なデメリット集です。執筆理由は、メリットとデメリットを詳細に比較・検討することを可能にし、留学に対してより現実的な感覚を持っていただく事に尽きます。僕の留学経験を交えながら、3週に渡って執筆していきたいと思います。

1.   高額な学費を支払わなければならない

【一般的に留学費用はとても高額】

留学にかかる費用は一般的に行って非常に高額です。米国の公立の大学に4年間通ったとして、平均的に学費だけで700万円~1000万円前後はかかるでしょう(時期・地域・専攻・奨学金・単位取得スピード等によってかなり幅が出ますが)。これは現地の学生は支払う必要のない、Non-resident feeと呼ばれるインターナショナル生に科せられる学費が非常に高額なためです。

【米国の経済難による学費の値上げ】

また、近年米国は危機的な経済難でどこの州も資金が不足しているので、そのツケは学費の増加となって学生・学生の親へと回ってきています。留学生も例外ではなく、最近は学費が年々高まっていく傾向にあります。また、この流れに反対する学生運動が勃発するなど、学費の値上げはアメリカ全土で非常に深刻な問題として取り上げらているのが現状です。

【以下、twitterのRTによる意見をまとめました】

*ちなみに700~1000万円という費用は、日本の美大と対して大差がないという意見を頂きました。*日本では塾・予備校に通う費用を学費に計上した方が無難な場合もあります。これらの予備的な費用+日本大学の学費と、アメリカの大学費用を比べるのが現実的な比較かと思われます。

2. 日本の大学に比べると卒業が困難

【入学するのは簡単、卒業するのは困難】

これは日本の大学と海外の大学を比べる時に用いられる表現です。日本の大学が【入学が困難、卒業は簡単】だとすれば、その逆が海外大学です。日本では入試に最大の重きが置かれています。その試験を突破するために、日本の高校生は塾に通い、時には留年して予備校に通い、全精力を注いで試験対策を行います。が、入学後は遊び呆ける学生が多いのもまた事実です。米国の大学には日本のように徹底された入学試験というものは存在せず、主に高校時代のGPAが重要視されます。そして入学後は、卒業するまで大量の課題やエッセイの提出が義務付けられ、GPA平均を2.0以下を切り続けると強制退学になるなど、勉強しなければ卒業出来ない仕組みが導入されています。

*アメリカには、日本のように大学独自の入試試験が無い代わりに、高校生が受ける大学進学適性試験/SATというものが存在します。これが大学院の場合はGREとなり、ビジネススクールの大学院の場合はGMATを受けることになります。

【僕が入学時に受けた試験はToeflのみ】

例えば僕は現在通っている大学に入学するために行ったのは、日本の大学時代(僕の場合は高専です)のGPA提出と、Toeflという試験のみです。最近は英語を第二言語として扱う人の英語力を測るのがToefl受験の目的であり、入学に必要なToefl ibtの点数は大体60~80点位(大学)/80~100点(大学院)が相場となっています。(*僕の例は、日本の高専卒業後→米国4年制大学への編入学です。)

【ドロップアウトしていく留学生達】

僕は今までに何人もドロップアウトして母国へ帰国していく留学生を見てきました。語学学校から大学へ何年も入学できずに帰る学生、慣れない英語による大学講義に追いつけず成績不振によって強制退学になる学生、大学の高額な費用をまかないきれずに母国の大学へ入学しなおす学生、等々。何かとハードルが高い面があるのは確かです。

3. 人間関係構築が苦手だと孤独な生活へ

【individualなライフスタイルを好むアメリカ人】

2年間以上カルフォルニアで生活して、日本とアメリカの大きな違いとして気づいたことの一つに、現地の人達はグループ行動よりも個人行動を好む傾向があるという点です。僕が住んでいるのは人種のサラダボールと呼ばれるカルフォルニアなのでより分かりやすいんですが、アジア系のバックグラウンドを持っている学生達は友人を誘ってグループで行動するのに対し、米系のバックグラウンドで育った学生達はより少人数、あるいは個人で行動する割合が多いと思います。よって、individual化された環境+英語で友達を作るのは、日本より難しいかも知れません。

【留学生は人間関係を築く時間が限られている】

僕が大学の図書館に行くと、かなりの割合で留学生が必死に勉強しながら多くの席を占領しています。これは僕も毎日感じていますが、留学生の平均的な勉強量は現地学生の数倍以上です。何故なら英語というハンデを背負って現地学生と同じ量の課題をこなすには、時間的資源を現地学生より多く投資する以外に選択肢が無いからです。こうなると、友達を作る時間はかなり限られてきます。僕の場合は、多くの友達が出来始めたのは留学生活1年目を過ぎてからです。特に最初の数セメスターは必死だったので、友人作りところではありませんでした。英語にも少し慣れ始め、授業についていくのにも余裕が出来始めると、少しづつ周囲の学生達と交流を持つようになっていきました。

【アメリカ人の友達を一人も持たない中国人大学院生】

僕の元ルームメイトは中国出身の大学院生でしたが、彼は留学1年半目にして外国人の友達を一人も作っていませんでした。(そもそも作り気すらないようにも思えました。)彼の生活は驚くほどにシンプルで、朝起きて、大学講義へ行き、夜まで図書館で勉強し、1時間ほどランニングをして、寝る、というサイクルを一年以上に渡って繰り返していたのです。それはどうやら中国の想像を絶するほど過酷な大学入試試験期間に培った生活サイクルのようでした。彼の成績は大学院でも常にトップクラスでしたが、アメリカに住みながら一切外国人と交流を持たない彼の生活は、個人的に少しもったいないなと感じる面が大きかったのも事実です。

次週は、

【4】卒業後、日本への就職が困難なケースが多い
【5】卒業後、現地への就職が困難なケースが多い
【6】日本語の言語感覚が鈍る

へと続きます。


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異様なほどに便利なcraigslistの光と闇

craigslistとは何か

craigslistとは、一言で説明すると【地域情報に特化した巨大掲示板】です。

以下、web辞書による説明文を引用します。

不動産情報、求人情報、コンサートや野球などのチケット情報など特定の都市・地域に限定された様々な情報を住民などが投稿して掲載する地域情報コミュニティサイト。

Craigslistとは “Craig’s list” つまり「クレイグのリスト」という意味だが、1995年にCraig Newmark氏がサンフランシスコのローカル情報を交換するために開設したサイトが原型となっている。現在ではアメリカ国内外300都市向けのサイトを擁し、合計で毎月1,000万人のユニークユーザを集め、40億ページビューものアクセス数があるといわれる。2004年8月にはオンラインオークション最大手のeBay社がCraigslistに25%を出資し、注目を集めた。

via http://e-words.jp/w/Craigslist.html

あまりにも有名すぎて、craigslistの歌まで作られました・・・(笑)

歌手のJim Morrisonはこの曲に関するインタビューでこんなことを述べています。

“Craigslist is certainly one of the major portals and it was very inspirational to me.” Though he’s never bought or sold anything on the site personally, Yankovic spent plenty of time browsing it to find inspiration for his lyrics. “My research involved going through all the categories and finding some of the more bizarre entries and posts,” he says. “There’s the missed connections, the random obscure items, people who just want to rant about something. I tried to get a feeling of the whole Craigslist experience into the song.”

via http://www.spinner.com/2009/06/15/weird-al-yankovic-craigslist-video-premiere/

以下、意訳です。

「Cragslistは僕の主なポータルであり、それは僕にとってとてもインスピレーショナルなんだ。」(彼はこのウェブサイトで個人的に売買を行ったことがないが、Yankovicは歌詞へのインスピレーションを得るために、多くの時間をサイト観覧に費やした。)「僕のリサーチは全てのカテゴリを通して一風変わったエントリーやポストを探すことも含まれているんだ。」また彼は、「そのこに失われたコネクション、曖昧なアイテム、単に何かに関して大言壮語を吐きたいだけのものなんかもある。僕は歌詞のために全craigslistの経験から来るフィーリングを得ようと試みたんだよ。」とも述べています。

さて、では実際にcraigslistを通してどんなことが起こっているのでしょうか。

craigslistの光

最近特に強く感じていましたが、このWEBサイトはとんでもないポテンシャルを秘めています。真面目な話、大学生活でcraigslistという単語を聞かない日はないんじゃないのかと思うほどです。それほど市民の生活に根強く浸透しているウェブサイトの魅力とは、一体何なのか。答えはYoutubeのcraigslist TVにあります。

craigslist TV (←面白いので是非一度覗いてみることをオススメします)

このYoutubeサイトでは、実際にユーザー達がどのようにcraigslistを利用し、どんなストーリーが起こっているのかをエピソード形式で紹介しています。ある人はルームメイト募集を行い実際に様々な人達が尋ねてきたり、ある人はバンドのメンバーを募集してオーディションを開催したり、ある人は忍者として無償で働いてみたり・・・(笑)

ちなみに以下は、僕が米国で最近耳にしたcraigslistの使い方の一例です。

■カルフォルニア在住の人がメキシコにビジネスをセットアップする。
■誰でも自由に参加できるパーティーに関する情報を投稿して大勢の参加者を募る。
■ゲイの人がゲイの恋人を募集する。
■コンサートのチケットが余ったのでTicketを近所の人に売る。
■新規に引っ越してきた人が住居や車を近所のエリアから探す。
■ガレージに埋もれる中古品を一掃するためにまとめ売りを行う 、等々。

といった具合に本当に何でもアリです。

craigslistの闇

一方で、ここ数週間ほどcraigslistを通し行われていた売春行為が表面化して問題となりTVニュースを賑わせていました。

あまりにも簡単に地域住人との交流が測れるために、こうしたトラブルが多発しているのも事実です。僕の友人の父親はカルフォルニアの警察官として働いていますが、彼はcraigslistという言葉に恐怖感を覚えているようです。それは彼が父親からcraigslistでどのようなトラブルが発生していて、どんなに大変かを毎日のように聞いているからだそうです。

終わりに

ちなみにアメリカに住んでないからcraigslistなんて関係ないなと思うのは少し早いかも知れません。craigslistにはJapanのカテゴリーも存在しています。ここまで有名なサイトなので、例えばアメリカから日本に行った(あるいは移った)外国人の方が日本のcraigslist欄を使おうと思うのはごく自然なことです。

ここはTokyoというカテゴリのcraigslistページです:
http://tokyo.craigslist.jp/act/

見ての通り、Language Exchangeに関する募集が毎日のように投稿されているではありませんか。ほぼ日本人からの投稿の様ですが、かなり多くの外国人の方達がこの欄を見ていると予想されます。 ものは使い様ですので、日本からcraigslistをどのように利用するか考えを巡らせてみるのも面白いかも知れませんよ。


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オレゴン大学の名物科目 – Information Gathering

University of Oregon (UO)で過ごした3年間のうち、思い出に残る授業は多々あるのですが、今日はその中でもSchool of Journalism and Communication (SOJC)で伝説とされるJ202 Information Gatheringについて書いてみようと思います。

そのまえに少しだけUOのSOJCについて。
Journalism Programはfull-majorとして専門分野(Advertising、Public Relations、News/Editorial、Electronic Media、Magazine、Communication Studies)を学ぶ前段階として、pre-majorというステータスでいくつかの科目をパスしなければいけません。これがうちの大学の面白いところで、新聞記事の書き方を学ぶクラスから、文法のクラス、果てまではレイアウトデザインをするVisual Communicationまで、pre-majorはJournalismに関わるすべての分野を広く浅く履修することになります。

そんなpre-majorがぶつかる最難関がJ202 Information Gathering。Journalism専攻以外の学生でもその通称”Info Hell”と聞けば「ああ、あの」と分かるくらい、キャンパス中でも知れ渡った科目。Info Hellは残念ながら2009年のプログラム改編で姿を消しましたが、未だにそれを懐かしむ教授と、強烈な昔話を語り継ぐ学生がうようよしています。

さて、このInfo HellはいわゆるResearch Paperを書くクラスなのですが、学期末に提出する完成稿が最低で100ページ以上にもなるというHellの名にふさわしいもの。授業で教えられるのはPaperのフォーマットくらいのもので、あとは独力で何でも解決していかねばなりません。UOはQuarter制を採用しているので1学期の長さは11週。Week 7あたりからLibraryにはInfo Hellを取っている学生が毎日深夜まであふれ、自分も何度Libraryで徹夜をしたか分からないくらい、とにかく異常に時間を食う科目なのです。

その100ページ超のPaperの構造は決められており、以下のようになっています。

  • Preface (前書き): 1-2ページ
  • Annotation List (ソースリスト): 3-4ページ
  • Annotation (ソース): 70+ページ
    • Journalistic Sources (新聞・雑誌記事) x 9
    • Academic Sources (学術誌に掲載されている論文) x 5
    • Institutional Sources (営利・非営利団体の発行物) x 7
    • Government Sources (政府発行の出版物) x 6
    • Books x 2
    • Interviews (2人は実際に会ってのインタビュー、もう1人は電話・e-mail可) x 3
    • Other sources (Podcast、YouTubeなど上のソースにあてはまらないもの) x 3~
  • Outline (概要): 5-7ページ
  • Essay (本文): 15-20ページ
  • Work Cited (Annotationとは別に引用した文献のリスト): 何ページでも

見て分かるとおり、7割を占めるのがAnnotationで、これはいわば本文に使われている文献の詳細な分析のこと。Government SourcesやBooksはかなり長いものになることがありますが、Chapterの抜き出し可など細かい制約があります。ちなみに発行者/著者の重複は幅広い情報を使用しなくてはいけないという建前のもとに禁止されています。そのAnnotationにしても、何を書くのかは決められています。

  • Part 1: Source Analysis (著者、出版社、発行者の分析)
  • Part 2: Main Assertions (記事が述べている重要なこと)
  • Part 3: Strengths and Weaknesses (記事の強みと弱み)
  • Part 4: Comparisons and Contrasts (他の記事との比較)
  • Part 5: Use in Essay (本文中での記事の使い方)

Info Hellの学生たちは35本以上のAnnotationをこなすのに学期のほとんどを費やすことになりますが、学期中に何度かGTF (Graduate Teaching Fellow、いわゆるTeaching Assistant)へ途中経過としてAnnotationを提出することになっています。ここでSourceの不備を指摘され文献を探し直さなくてはいけなくなることもあり、モチベーションの維持に苦労する学生が続出。Info Hellは毎学期100人ほどが履修しますが、完成稿を提出するため最終日に出席する生徒は全体の3/4ほど。パスすることに全力を注ぎ、C+でも文句は言わない、というクラスなのです。

しかしこのInfo Hellにももちろん良いところはあって、それは情報に強くなる、ということ。
ちょっと抽象的ですが、例えば、ニュースや新聞記事を読む際にそれをどんな人が書いていて、どんな新聞社がそれを掲載する決定をして、それがどういうふうに他の人に引用されているのか、そういった一連の流れを意識できるようになります。文献に書いてあることをまるっきり違う文脈で引用している不自然さに気がついたり、某新聞で中道的な主張をしている著者が、他紙で実はすごく過激なことを書いていたり。裏を読み取る力が強くなる、とでも言えばいいのかもしれません。これで読み物へのアプローチの仕方ががらっと変わります。

とはいえ、11週に渡って感じる並ならぬストレスはたまったものではなく、お金をいくら積まれてももうやりたくありません。学期の後半は連日遅くまでコンピュータへ向き合い、とんでもない量のコーヒーを消費し、食生活はズタボロ。週末はパーティへの誘いを泣く泣く断ってLibraryへ。そんな苦行を一緒に闘っている学生同士の中には妙な連帯感が生まれ、その雰囲気にはなかなかおかしなものがあります。

自分は1度目のトピック選びで失敗した上インタビューを断られ続け、計20人以上にコンタクトしたところで時間切れ。提出敵わず生まれて初めてFを貰うという屈辱を味わったあと、次の学期にリベンジをしてパスという苦い思い出になりました。一度目のトピックは「Food Safety in United States」。二度目のトピックが「Organic Foods in United States」でした。今読み返してみるとどちらもずいぶん強引にまとめた感がありますが、それにしてもよくこんなに書いたものだ思います。現地学生でも相当きついのに留学生ともなると語彙は少ないし、Research Paper特有のフォーマットのせいで大学のWriting Centerはほとんど役に立ちませんでした。

そんな名物科目のInfo Hell。記事トップにある写真は、完成稿を提出したときに貰える「I SURVIVED INFO HELL」缶バッジ。提出するときには一人ずつ名前が呼ばれ、クラスメートからの拍手喝采を浴びながら教授にペーパーを手渡します。「俺はやったぜ」と叫ぶのがいたり、教授にハグするのがいたり、手製の扮装をしてくるのがいたり、そこはやっぱりみんなアメリカンなやりかたでお祝いしていたのをよく覚えています。

おまけ: UOのSOJCがFaceBook Pageで「あなたのInfo Hellにまつわる思い出は何?」ときいたところ、普段では考えられない25件ものコメントが殺到。みんなよく覚えているんです。サムネイル表示になっているので、フルサイズの画像はクリックしてご覧下さい。


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英文構造が秘める「説明する力」総まとめ編

saturated writing

僕は極度の英文構造中毒です。英文が持つストレートで理論的な構造に魅せられています。僕は英文ライティングを習うと同時に、物事を文章で説明するとは何かを知りました。rokAブログの記事は、英文構造を日本語に適応させることで組み立てることによって、留学周辺に関する事柄を「説明」しています。英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになります。以下、英文が作られる過程を順を追って見てみましょう。

【ステップ1: テーマの決定】

【1】テーマは必ず一文に要約される

テーマとは、読者に最も伝えたい内容のことです。このテーマ次第で、これから書く文章の全てが決定します。この記事のテーマは「英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる。」です。

テーマは必ず一文に要約されるというルールがあります。この一文に要約された内容に、全文章の矛先が向かいます。それはピラミッドの頂点に似ています。その一文に要約されたテーマが正しいことを証明するために、全ての文章を組み立てていきます。それは同時に、このテーマを支えるセンテンス以外は書くことが許されないということでもあります。

【2】テーマには筆者の情熱が必要不可欠

また、テーマには必ず筆者の情熱がこもっていなければいけません。そのテーマを読者にどうしても伝えたいという想いが、文章を自然に躍動させます。テーマに情熱を感じなければ、その文章を書く価値はありません。筆者が物凄い楽しい!と感じながら書いた文章は、読者を楽しい気持ちにするでしょう。反対に筆者が嫌々書いた文章は、読者を退屈にするに違いありません。英文構造中毒である僕は、このテーマについて何時間でも話すことが出来ます。常に誰かに伝えたいと思い続けてきました。今からどのようにして伝えようか凄くワクワクしています。と同時に、どうしてこんなに素晴らしい手法が日本に広く普及していないのかと激しく不満を覚えていました。今、この瞬間にタイプされていく文章は、どうしても伝えたいという強い衝動によって生み出されれています。

【3】テーマ決定時に需要は一切無視する

テーマを決める際に、読者のことを一切考えてはいけません。これは一番誤解されている点でもあります。まずは情熱を持って書けるテーマを決定することが先決です。いくら需要のあるテーマでも、それについて勝手に筆者の筆が走りだすような話題でなければ文が死んでしまいます。筆者の情熱と世間の需要がマッチするに越したことはありませんが、好きに勝るものは無いと考えてまず間違いありません。

【4】テーマ決定後、最上級を含む疑問文に変換する

テーマが決定したら、次にテーマを「どのようにすれば~できるか?」という疑問系に変換します。これは「凄い会議」という本からエッセンスを拝借した僕独自の方法です。例えば今回のテーマは「英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる。」でしたが、これを疑問文に変換すると「どのようにすれば【英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる】ことを伝えることが出来るか?」となります。更にこの疑問文に、最上級を示す語を付け加えます。例えば、「どのようにすれば【英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる】ことを【日本一分かりやすく】伝えることが出来るか?」と言った具合です。

【5】 強い執筆意欲を得た段階で次のステップへ移る

何故、最上級を示す語を加えた疑問文に変換するのでしょう。それは人間の脳が、疑問文を見た瞬間に答えを考える性質があるからです。また、どうすれば分かりやすく伝わるか?という疑問文よりも、どうすれば日本一分かりやすく伝わるか?という疑問文の方が深い着想を得ることが出来ます。(例えその答えが日本一ではなくても、です。)僕の場合、情熱を持っているテーマで最上級の語を含む疑問文を見ると、頭の中で何となく答えらそうだなと感じ、そこから更に具体的な文章に落とし込みたいという感覚に襲われます。もしこの時点で物凄く強い衝動を覚えたなら、もう文章の90%は完成したも同然です。後は脳の中で無意識にまとまっている筆者の解が、文章という一つの表現形式に変換されながら自動的に流れ出ていきます。さて、テーマが決定したら、次はトピックセンテンスの決定です。

【ステップ2:トピックセンテンスの決定】

【1】トピックセンテンスとはテーマを支える柱となる文

トピックセンテンスとは、テーマを支える柱となる文です。テーマとトピックセンテンスが文章の骨組みを形成するため、英文エッセイ等ではこの2点を把握できれば主旨が大体理解できます。残り全ての文章はその骨組みを肉付けするために付け足されていくと捉えて下さい。

【2】トピックセンテンスは必ず【何故「テーマ」なのか?】に対応する

トピックセンテンスはステップ1で作ったテーマと連動します。テーマとは筆者が伝えたいこと、すなわち主張です。主張には裏づけが必要であり、その裏づけこそがトピックセンテンスとなります。よってトピックセンテンスは【何故「テーマ」なのか?】という文に対応する答えとなります。

ステップ1で作ったテーマを例にすると、【何故、「英文構造のエッセンスを学べば、どんな事柄も簡潔に、分かりやすく、説得力を持たせながら説明できるようになる」のか?】となります。この疑問文に答える文がトピックセンテンスとなるわけです。例えば、「適切なテーマ設定をすることによって生きた文を書くことが出来る」「明確なトピックセンテンスはテーマを支える柱となって主張をサポートすることが出来る」「イントロダクション・ボディーパラグラフ・コンクルージョンを作ることで文体にリズムに乗せることが出来る」から、などといった具合です。

【3】できる限り多くの選択肢を出す

また、トピックセンテンス決定の際には、出来る限り多くの選択肢を出すべきです。ブレインストーミングするも良し、マインドマップで拡散させるも良しです。とにかく思いつく限りのテーマに対する【解】を書き出し、その中から最も強力と思われるものをピックアップします。ピックアップする数は書きたい文章の長さによって変わってきます。これに関しては次のステップで詳しく説明しますが、選択したトピックセンテンスの数だけ段落が増えることになります。

【4】トピックセンテンスは「強度」と「均一性」が重要

ではトピックセンテンス決定時に重要となる要素は何かと言えば、強度と均一性です。

主張を支えるトピックセンテンスにはそれぞれに強度があります。あるトピックセンテンスは主張を強力にサポートしますが、あるトピックセンテンスは主張を微力にしかサポートしません。例えば僕の友人が「今日ra-miは大学を休むだろう」(テーマ/主張)と言ったとして、「何故なら昨日ra-miは徹夜して今頃寝ているだろうから」(トピックセンテンス/根拠1)と「何故ならra-miは昨日に日本へ帰国したから」(トピックセンテンス/根拠2)では、根拠2の方が圧倒的に説得力があります。そしてこれはトピックセンテンスにも同じ事が言えるのです。

次に均一性です。トピックセンテンスを3つ選択したとして、その3つは偏ることなく均一な距離感を保っていなければなりません。例えばさっきの例で「今日ra-miは大学を休むだろう」という主張があったとして、「何故なら昨日ra-miは徹夜で今頃寝ているだろうから」「何故ならra-miは一昨日も徹夜で寝ていないから」「何故ならra-miは徹夜すると大抵は学校を休むから」という裏づけを挙げたとします。けれども3つの裏づけは全て「睡眠」の事柄から推測していているので非常に偏っています。均等な裏づけとは「何故ならra-miは昨日徹夜したから」「何故ならra-miは昨日風邪を引いたから」「何故ならra-miは3日前から学校に来ていないから」といった具合です。この3つは均等ですが、強度が弱いです。

そこで最後に、強度と均一性が揃った裏づけの例を挙げてみましょう。「何故ならra-miは昨日に日本へ帰国したから」「何故ならra-miは1週間前から学校を休学しているから」「何故ならra-miは貫徹して起き続けられる体質ではないから」。ここまで強い裏づけが均一に3つも揃えば、もう絶対にra-miは学校に来ないと断言できるかと思います。

【5】強度と均一性の揃ったトピックセンテンスは強力にテーマをサポートする

こうして強度と均一性を意識しながら決定されたトピックセンテンスは、テーマ/主張を強力にサポートします。ここまでの過程で「テーマ(主張)+トピックセンテンス(裏づけ)」という文章の骨格は完成しました。後はイントロダクション(起)・ボディパラグラフ(例)・コンクルージョン(結)という英文構造に乗っ取って肉付けを行うのみです。

【ステップ3:Intro・Body・Conclusionの決定】

【1】英文構造のテンプレートを把握する

ステップ3では、ステップ1で作ったテーマと、ステップ2で作ったトピックセンテンスを元にIntroduction/Body/Conclusionを作ります。以下はその3つを含む英文構造を的確に示した図です。これはアメリカの高校・大学で教育を受けた人なら必ず知っています。

【英文の構造図】/引用:Essay writing

では、順に見ていきましょう。

【2】Introduction

Introductionでは一般的に以下の4つの要素が含まれます:
・General Statement/トピックに関する概略
・Specific Topic/より具体的なトピックの説明
・Thesis Statement/【1文に要約されたテーマ(ステップ1)】
・Outline/文章中でどんなことが話されるかという簡単な文

【3】Body Paragraph

Body Paragraphは上記の図でⅡ・Ⅲ・Ⅳであり、3つの要素から構成されます:
・topic sentence/【1文に要約されたテーマを支えるセンテンス(ステップ2)】
・support/topic sentenceをサポートする文
・ concluding or linking sentence/パラグラフの要約や、次のパラグラフに繋げる文。

ちなみに【support/サポート】には様々な方法があります。
例1:より詳しい具体例を挙げる
例2:自らの体験を伝える
例3:友人の体験を伝える
例4: 第三者の体験を伝える
例5:文献資料を引用する
例6:数字的データを引用する、等々。

【4】Conclusion

Conclusionには必ず下記の要素が含まれます:
・Restatement or summary of main points and thesis/最後にもう一度、テーマやトピックセンテンスの簡潔な要約を述べます。

【5】Intro+Body+Conclusionが織り成すハーモニー

図でも示されているように、【Introduction】と【Conclusion】は非常に近い関係にあります。最初にテーマを簡潔に示し、最後に再び要約を示すことによって、読者へのメッセージが引き締まります。また、Ⅱ・Ⅲ・Ⅳのパラグラフは全て【Introduction】で示したテーマを支えるものなので、自ずとお互いに強く関係していることになります。こうして【Introduction】+【Body Paragraph】+【Conclusion】が上手い具合に絡まることにより、より強固な文が形成されていくのです。

【終わりに】

ここまで読んで下さった方はお気づきかと思いますが、英語の文章はそんなにルールがあるのかと思う位に理論的な構造になっています。日本では起承転結という文章構造を習いますが、あれは一般的に物語を作る時に使うものであって、説明的な文章には使えません。

また、日本人の書く論文は外国人が書く論文に比べてテーマ性が明らかに薄い(あるいはそもそもテーマが無い)、という研究結果があります。はやり、テーマやトピックセンテンスを作り、それらを文章中で関連させながら、【Introduction】【Body Paragraph】【Conclusion】を組み立てるのかといった方法を実践的に習わないからでしょう。ちなみにアメリカでは子供の頃から教育機関でこの文章構造を叩き込まれ、卒業するまでに大量のエッセイを書くのが普通なので、大学を卒業する頃にはテーマ性のあるそれなりの論文が書けるようになっています。

またこれは余談ですが、そういった背景も手伝ってアメリカ人はラブレターですら必ずパラグラフ構造になるという話しを聞いたことがあります。パラグラフ無しで、一体どうやって想いを伝えるんだ?といった具合なのでしょう。

今回ご紹介した【テーマの決定】→【トピックセンテンスの決定】→【Intro・Body・Conclusionの決定】という構造を組み立てる作業は、エッセイだけでなく何かを伝える時に必ず役に立ちます。それはプレゼンテーションであったり、交渉であったり、モノ作りであったり、本の執筆であったりと様々です。皆さんの日々の生活の中で「どんな形式であれ何かを伝えたい場面」で、是非この3ステップを活用してみて頂きたいと思います。


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文章で物事を説明するのに最適な英文理論構造<3>

ステップ3:Introduction・Body・Conclusionの決定

ステップ3では、ステップ1で作ったテーマと、ステップ2で作ったトピックセンテンスを元にIntroduction/Body/Conclusionを作ります。以下はその3つを含む英文構造を的確に示した図です。これはアメリカの高校・大学で教育を受けた人なら必ず知っています。

【英文の構造図】/引用:Essay writing

では、順に見ていきましょう。

Introduction

Introductionでは一般的に以下の4つの要素が含まれます:
・General Statement/トピックに関する概略
・Specific Topic/より具体的なトピックの説明
・Thesis Statement/【1文に要約されたテーマ(ステップ1)】
・Outline/文章中でどんなことが話されるかという簡単な文

Body Paragraph

Body Paragraphは上記の図でⅡ・Ⅲ・Ⅳであり、3つの要素から構成されます:
・topic sentence/【1文に要約されたテーマを支えるセンテンス(ステップ2)】
・support/topic sentenceをサポートする文
・ concluding or linking sentence/パラグラフの要約や、次のパラグラフに繋げる文。

ちなみに【support/サポート】には様々な方法があります。
例1:より詳しい具体例を挙げる
例2:自らの体験を伝える
例3:友人の体験を伝える
例4: 第三者の体験を伝える
例5:文献資料を引用する
例6:数字的データを引用する、等々。

Conclusion

Conclusionには必ず下記の要素が含まれます:
・Restatement or summary of main points and thesis/最後にもう一度、テーマやトピックセンテンスの簡潔な要約を述べます。

図でも示されているように、【Introduction】と【Conclusion】は非常に近い関係にあります。最初にテーマを簡潔に示し、最後に再び要約を示すことによって、読者へのメッセージが引き締まります。また、Ⅱ・Ⅲ・Ⅳのパラグラフは全て【Introduction】で示したテーマを支えるものなので、自ずとお互いに強く関係していることになります。こうして【Introduction】+【Body Paragraph】+【Conclusion】が上手い具合に絡まることにより、より強固な文が形成されていくのです。

ここまで読んで下さった方はお気づきかと思いますが、英語の文章はそんなにルールがあるのかと思う位に理論的な構造になっています。日本では起承転結という文章構造を習いますが、あれは一般的に物語を作る時に使うものであって、説明的な文章には使えません。

また、日本人の書く論文は外国人が書く論文に比べてテーマ性が明らかに薄い(あるいはそもそもテーマが無い)、という研究結果があります。それもそのはずです。そもそも、テーマやトピックセンテンスを作り、それらを文章中で関連させながら、【Introduction】【Body Paragraph】【Conclusion】を組み立てるのかといった方法を習わないのですから。習ったとしても、大学の卒業論文前に覚えて付け焼刃的に使うのがほとんどなのではないでしょうか。アメリカでは子供の頃から教育機関でこの文章構造を叩き込まれ、卒業するまでに大量のエッセイを書くのが普通なので、大学を卒業する頃にはテーマ性のあるそれなりの論文が書けるようになっています。

これは余談ですが、そういった背景も手伝ってアメリカ人はラブレターですら必ずパラグラフ構造になるという話しを聞いたことがあります。パラグラフ無しで、一体どうやって想いを伝えるんだ?といった具合なのでしょう。

では最後に、今まで説明したステップ(1)~(3)までをまとめた記事を投稿します。